スペイン巡礼38日目:【番外編】最終回Muxia(ムシーア) 29km
800㎞を歩き切り
今日はFisterraからMuxia(ムシーア)まで29㎞歩く
ほとんどの人がSantiagoで歩くのを終えるため、大西洋の方まで歩く人はわずか
特にこのMuxiaという街はFisterraより知名度が低く、最後までこの地を知らない人も
聖ヤコブの弟子たちが、ヤコブの遺骸を運んだことから生まれた道
『Camino de Santiago(カミーノ デ サンティアゴ)』
The Way(日本名:星の旅人たち)の映画では
主人公のTomが最後に息子の遺灰をまいた場所が、ここMuxia(ムシーア)
私にとって、絶対に行きたかった場所
今日で、本当に本当に最後だ
Fisterraの海をみながら出発する
Fisterra→Muxia
Muxia→Fisterra
どちらからでも歩けるように、矢印も工夫されている
誰もいない静かな道
全く観光地化されておらず、本当に歩きたい人たちだけが歩いている
Santiagoの100㎞手前Saria(サリア)以降の慌ただしさは皆無。とても気持ちいい。
歩いていると頭の中の固まったものがどんどん溶けていく感覚
『本当に本当に最後か…』
Santiagoに着く前とは違う
寂しくなんてない、ただまだ達成感もない
16㎞歩いた地点で小さな町に入る
出発してから初めてのバル、ここで休むことに
■As Eiras Lires, Costa da Morte
ボカディージョ(スパニッシュサンドイッチ)とフレッシュオレンジジュースを飲んでいると、2人の女の子が歩いてくる
『…!?』
『カシア!!!アドリアナ!!!!』
1週間前に出会い、一緒に歩いてきた2人に再会!
話も尽きずあっという間に1時間も経過していた
本当に最後の別れに、ビックハグをしてパシャリ
大好きな2人
更に13㎞歩き続け、ついにMuxiaに到着
『着いた…!』
MuxiaはFisterraよりも田舎で、小さな漁船町という感じ
カラフルな家の造りでとっても可愛い
Muxiaで楽しみにしていたことその①
”アルベルゲ”
すごく評価の高いアルベルゲがあって予約をしていたのだが
その予想を超えるくらい最高の場所だった!
ドアは全て自動ドア
何個も完備し、シャワールームは4人は入れてしまう程広々としている
オープンキッチンで調理器具もフリー食材(無料)も豊富
ルーフトップから足湯まであり
ベッドはプライベートが確保されているカーテン付き
そして、バスタオル付!
それでもって、1泊10ユーロ(約1300円)
■Albergue Arribada
Muxiaで楽しみにしていたことその②
”巡礼証明書”
Santiagoまで歩いた時だけではなくて
SantiagoからMuxia
FisterraからMuxia
を歩いた人に与えられる証明書
(ただし、自分の足で歩いた事を証明するために途中町のスタンプが必要)
Muxiaで楽しみにしていたことその③
”夕日”
スペインで最も西に位置するこの場所
ここからの夕日を見るのをとてもとても楽しみしていた
Fisterraのようなきれいなビーチではなくて岩場
波の一つ一つが岩にぶつかり、大きな音をあげる
この38日間を振り返りながら
太陽がどんどん沈んでいく
Santiagoに到着したときもなかった
Fisterraに到着したときもなかった
Muxiaに到着したときもなかった
この夕日を見て、やっと感じた
『達成感』
830㎞歩いた事なんて大したことない
何もすごいことなんてしていなければ、なにも自慢することなんてない
ただ、自分の中だけで大切に収めておきたい気持ちが
ぶわっと吹きあがった感覚
あぁ、心からありがとう
この命に心から感謝した、本当にありがとう
5人兄弟末っ子のハラペコ旅行記~スペイン横断~
終